『実況パワフルプロ野球ポータブル』は、2006年4月1日にコナミからPlayStation Portable(PSP)向けに発売されたシリーズ初の携帯機対応作品です。略称は「パワポタ」。2006年シーズン開幕予想データをもとに、実在のプロ野球12球団・選手が登場し、携帯機でも本格的なパワプロ体験ができることを目指して開発されました。

本作はPS2版『実況パワフルプロ野球12』および『12決定版』のシステムをベースにしており、選手データのパスワード入力やUSBケーブルを使ったデータ転送にも対応しています。ただし、シリーズの代名詞ともいえるサクセスモードは未収録で、代わりに「パワガチャ」という簡易的な選手育成モードが搭載されました。これはカプセルを開けて能力を付与するというランダム性の高いシステムで、短時間で選手を作成できる反面、育成の自由度や戦略性は控えめです2。

ゲームモードは、対戦、ペナント、ホームラン競争、練習、アレンジ、応援曲作成、マイデータなどが用意されており、アドホック通信による2人対戦や、インフラストラクチャーモードによるオンライン要素も一部対応しています。応援曲は最大200曲まで保存可能で、パスワードによる共有も可能です2。

2006年のプロ野球では、セ・リーグは中日ドラゴンズが優勝し、福留孝介が首位打者とMVPを獲得。パ・リーグは北海道日本ハムファイターズがプレーオフを制して日本一に輝き、新庄剛志の引退やダルビッシュ有の台頭が話題となりました。これらの選手たちの成績や能力が、本作のデータにも反映されています。