『ぼくとシムのまち レーシング』は、2009年6月25日にエレクトロニック・アーツよりWiiおよびニンテンドーDS向けに発売されたレーシングゲーム。本作は、可愛らしい3頭身のキャラクター「シム」たちが、カスタマイズした自慢のマシンに乗ってハチャメチャなレースを繰り広げる、アクション要素の強いドライビング作品です。かつてレースで栄えていたものの、伝説のレーサーがいなくなったことで寂れてしまった街を舞台に、プレイヤーは新たなレーサーとして住民たちの依頼をこなし、レース大会で優勝して街にかつての活気を取り戻す物語が描かれています。

ゲームプレイの中心となるのは、ライバルたちとの激しい順位争いです。コース上にはジャンプ台や加速パネルといったギミックが配置されているほか、サッカーボールを投げて妨害したり、UFOに乗って加速したりといったユニークな「パワーアップアイテム」を駆使して一発逆転を狙うことが可能です。また、シリーズの特徴である「モノ作り」の楽しさも健在で、レースで手に入れたパーツや設計図を使って、車のボディ、タイヤ、エンジン、装飾品などを細かくカスタマイズし、性能も見た目も自分だけのオリジナルマシンを作り上げることができます。

Wii版では最大4人までの画面分割対戦に対応しており、Wiiハンドルを使用した直感的な操作で家族や友人と盛り上がれる仕様となっています。一方、ニンテンドーDS版ではタッチペンを使った操作やワイヤレス通信対戦に対応しており、プラットフォームごとの特性を活かした遊びが提供されています。レースに勝つことで街が発展し、新たな住人やコースが増えていく成長要素も盛り込まれており、単なるレースゲームにとどまらない奥行きのあるプレイ感が楽しめます。

原作となる『ぼくとシムのまち(MySims)』は、2007年にエレクトロニック・アーツよりWiiおよびニンテンドーDS向けに発売されたシミュレーションゲームです。『シムピープル』や『シムシティ』の流れを汲むスピンオフ作品であり、日本人向けにデザインされた可愛らしいキャラクターと、家具や建物をブロック感覚で自由に作成できるクリエイティブなシステムが特徴です。本作『レーシング』は、その世界観とカスタマイズ要素を継承しつつ、ジャンルをレースゲームへと広げた関連作品として位置づけられています。

ぼくとシムのまち (Wii)