『アルゴスの戦士 マッスルインパクト』は、2008年にWii向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームである。古代ギリシャ・ローマ風の世界を舞台に、主人公ゼーンが伝説の武器「ディスカーマー」を操り、異形の怪物たちと戦う構成となっている。PS2版『アルゴスの戦士』をベースに、Wiiリモコン操作と新モードを追加したリファイン作品である。

ディスカーマーは円盤状の盾に鎖が付いた武器で、攻撃・防御・移動のすべてに活用可能。敵を突き刺して振り回す、遠距離から引き寄せる、崖を渡るなど、多彩なアクションが展開される。ストーリーモードでは、ゼーンが記憶喪失の戦士として異形の者にさらわれたハルモニア姫を救う旅に出る。物語は神話的要素とSF的演出が混在し、召喚獣や神具の力を巡る戦いが描かれる。

新たに追加された「マッスルモード」では、Wiiリモコンの振り方によって技の種類と威力が変化する。縦振り・横振り・振り下ろしなどの操作で「ハルパーの鎌」「ヴァルカンの鉄槌」「グラティオンの神牙」といった専用技が発動し、敵を一掃する爽快感が強調されている。ステージクリア型の構成で、プレイ結果に応じて称号が与えられる。

演出面では、PS2版からの流用が多く、ゼーン以外のキャラクターや背景はほぼ同一。一方でゼーンのデザインは白髪の装飾過多な姿に変更され、パッケージや公式サイトでは新作のように見せかけられている。この点は移植作品としての透明性に課題を残すが、アクション性や操作感はWiiならではの体験として再構築されている。