『P.N.03』は、2003年にカプコンがゲームキューブ向けに送り出したスタイリッシュな3Dシューティングです。『バイオハザード』の三上真司がディレクターを務め、白を基調としたクリーンな世界観と、ダンスのような回避アクションが融合した独特のゲーム性が話題を呼びました。プレイヤーは女性ソルジャー「ヴァネッサ・Z・シュナイダー」となり、暴走した兵器管理システム「CAMS」に支配された施設へ単身乗り込みます。

ヴァネッサは「AEGISスーツ」を装着し、手から放つパームショットで敵を撃破します。銃器を使わず、身体の動きと連動した攻撃スタイルが特徴で、敵の弾幕を華麗に避けながら反撃する戦闘は、リズムゲームのような緊張感を生み出します。スーツは性能の異なる11種類が存在し、特定条件を満たすことでアンロックされます。難易度はEASYからHARDまで用意され、クリア後にはさらなる挑戦が待ち受けます。

物語はヴァネッサの過去と、依頼主との謎めいた関係を軸に展開します。両親をCAMSに殺された彼女は、復讐と任務の狭間で揺れながら、敵の中枢へと迫ります。依頼主は姿を見せず、通信のみで指示を出す存在として描かれ、プレイヤーの想像力を刺激します。ストーリーは断片的ながら、ヴァネッサの孤独と強さを際立たせる演出が随所に散りばめられています。

ゲームキューブでは、8cm光ディスクによる高速読み込みと安定したフレームレートが、滑らかな操作と美麗なグラフィックを支えます。アナログスティックによる回避操作は直感的で、ボタン配置もシンプルに設計されており、アクションに集中できる環境が整っています。