2002年にコナミから発売された『永世名人VI』は、将棋AI開発者・吉村信弘氏による思考エンジンを搭載したシリーズ第6作であり、PlayStation 2およびニンテンドーゲームキューブ向けに展開された本格派将棋シミュレーションゲームです。本作は、前作までの機能を継承しつつ、定跡データベースの大幅な拡充やネットワーク対局機能の実装など、当時の最新技術を取り入れた意欲作となっています。

本作の最大の特徴は、30万手以上の定跡データを収録した「定跡ガイド」機能で、矢倉・角換わり・中飛車など13の戦型を学習可能です。さらに、詰将棋モードや棋譜鑑賞モード、目隠し将棋といった多彩なモードが搭載されており、初心者から有段者まで幅広く対応しています。特にPlayStation 2版では、ネットワーク対局機能が実装され、全国のプレイヤーとオンラインで対局できる点が画期的でした。

また、駒の動かし方をアニメーションで解説する機能や、ヒント表示、段級認定モードなど、学習支援機能も充実しており、将棋入門から実力養成までを一作でカバーする構成となっています。グラフィックやUIも刷新され、視認性と操作性の両面で高い完成度を誇ります。