『SDガンダム Gジェネレーション アドバンス』は、2003年11月27日にバンダイからゲームボーイアドバンス向けに発売されたシミュレーションRPGで、開発はヴァンガードが担当しました。本作は『ギャザービート』シリーズをベースに、当時最新作だった『機動戦士ガンダムSEED』の要素を加えたリメイク的作品であり、GBA唯一のGジェネタイトルでもあります。

ストーリーは『機動戦士ガンダム(1st)』の一年戦争を軸に、他作品のキャラクターや機体がクロスオーバーする構成で、たとえば「ジャブロー降下作戦」にアプサラスが登場したり、ククルス・ドアンがスーパーモードで金色に輝くなど、原作を大胆に再構成した展開が特徴です。登場作品は『Ζ』『ΖΖ』『逆襲のシャア』『F91』『V』『G』『W』『X』『∀』『SEED』などに加え、『08小隊』『0080』『0083』『ブルーディスティニー』『ギレンの野望』などの外伝・ゲーム作品も含まれます。

ゲームシステムは、最大3機で構成される小隊(スタック)を運用し、ターン制でマップを攻略していく形式です。ユニットには改造・設計・捕獲・分解といった育成要素があり、特定のパーツを装備することで新機体を開発する「パーツ設計」や、特定キャラのセリフをトリガーに発動する「IDコマンド」など、独自の要素も多数実装されています。戦闘アニメはGBAながら滑らかで、フィン・ファンネルやサテライトキャノンなどの演出も丁寧に再現されています。

演出面では、BGMに「嵐の中で輝いて」「あんなに一緒だったのに」「JUST COMMUNICATION」「月の繭」などの版権曲がGBA音源で収録されており、戦闘演出と相まって高い没入感を生んでいます。また、カミーユがドモンの助言で「明鏡止水」に目覚めて精神崩壊を回避するなど、クロスオーバーならではのイベントも多数用意されています。

一方で、セーブスロットが1つしかない、戦闘アニメがスキップ不可、後期主人公機の未収録(ウイングゼロ、ゴッド、DXなど)、一部機体の搭乗制限(SEED系MSにナチュラルが乗れない)などの制約も存在しますが、それらを補って余りあるクロスオーバー演出とシナリオの妙が評価され、現在でもシリーズ屈指の“異色作”として語られています。