『かまいたちの夜 アドバンス』は、チュンソフトが開発したサウンドノベルゲーム『かまいたちの夜』の移植版であり、ゲームボーイアドバンス向けに再構成された作品です。原作は1994年にスーパーファミコンで発売され、後にPlayStation版『特別篇』を経て、本作ではその内容をベースに一部要素を省略した形で展開されています。舞台は雪に閉ざされたペンション「シュプール」で、プレイヤーは殺人事件の謎を解きながら物語を進めます。

本作では、選択肢によって物語が分岐するマルチエンディング形式を採用しており、推理に失敗するとバッドエンドに進む構造が特徴です。PlayStation版で導入されたフローチャート機能が継承されており、分岐の把握や再プレイが容易になっています。ただし、PS版に収録されていた「真理の探偵物語編」や「ちょっとエッチなかまいたちの夜」などの追加シナリオは容量の都合で削除されています。

ゲームボーイアドバンス版独自の要素として、ミステリー編を一度クリアするとタイトル画面から「我孫子氏からの挑戦状」と題した短い追加テキストが閲覧可能になります。これは続編『かまいたちの夜2』の告知を兼ねた内容であり、ゲーム本編とは直接関係しません。画面の明るさ調整機能など、携帯機向けの配慮も施されています。