『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』は、2001年8月30日にドリームキャスト用ソフトとしてバンプレストから発売されたシミュレーションRPGであり、PlayStation版『スーパーロボット大戦α』のリメイク作品にあたります。本作は、ドリームキャストで唯一発売されたスパロボ作品であり、セガが家庭用ハード事業から撤退する直前に登場した、いわば“セガ最後のスパロボ”でもあります。
本作の最大の特徴は、シリーズ初となる3Dポリゴンによる戦闘アニメーションの導入です。従来の2Dスプライトとは異なり、立体的な演出と複数のカメラアングルによって、よりダイナミックな戦闘シーンが展開されます。また、戦闘中のアニメーションを途中でカットできる機能も追加され、テンポよくプレイを進めることが可能になりました。
ゲームシステムは基本的にPS版を踏襲しつつも、合体攻撃の追加や精神コマンドの仕様変更、敵ユニットの強化など、難易度はやや高めに調整されています。さらに、PS版では語られなかった新規エンディングルートが追加されており、物語の結末が異なる展開を迎える点も大きな魅力です。特に『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』のシナリオが再現されるなど、ファンにとっては見逃せない要素が盛り込まれています。
参戦作品には、PS版と同様に『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』『マクロスプラス』などの初参戦作品が含まれており、さらにDC版では『機甲武装Gブレイカー』が追加参戦。これにより、ゲーム作品からの初参戦という新たな試みも実現されました。
演出面では、会話シーンに使用されるキャラクターイラストがすべて描き下ろしとなっており、その後のPS2作品にも流用されるほどの完成度を誇ります。戦闘バランスや演出、シナリオの分岐など、PS版とは異なる“もう一つのα”として、シリーズファンにとっては非常に価値のある一作です。
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