『トリコロールクライシス』は、2000年11月9日にビクターインタラクティブソフトウェアからセガ ドリームキャスト向けに発売されたロールプレイングゲームです。自然から生まれる怪物イブリースがはびこるファンタジー世界を舞台に、3人の少女が人類防衛の要である「塔の主」を目指す試験に挑みます。ヒューネックスが手がけた本作は、キャラクターの魅力的な掛け合いとマルチヒロインシステムが特徴で、ドリームキャストのロールプレイングゲームとして独自の存在感を示しました。
物語は、ジャニス、ミリア、ルナの3人の少女からプレイヤーが操作キャラクターを選ぶところから始まります。それぞれの視点で展開する試験は、魔法を使った戦闘や探索を通じて進行し、イブリースとの戦闘では戦略的な立ち回りが求められます。一方で、少女たちが共同で暮らす部屋では、会話やインテリアの変化といった日常の描写が丁寧に織り込まれ、彼女たちの絆や成長が自然に浮かび上がります。この日常と戦闘のバランスが、プレイヤーに深い没入感を与える鍵となっています。
発売当時、予約特典の設定画集やBGM集が話題となり、ビジュアルノベルのような柔らかなタッチが一部のプレイヤーから支持を集めました。ロールプレイングゲームとしての自由度の高さも評価されたものの、ドリームキャストの市場では大きな反響には至らず、現在ではレトロゲームとして中古市場で静かな人気を保っています。『トリコロールクライシス』の独特な世界観は、今もなお特定のファンに愛され続けています。
コメントを追加