『ぽけかの 〜愛田由美〜』『〜宝条静香〜』『〜植田史緒〜』および『ぽけかの 〜由美・静香・史緒〜』は、携帯型メモリカードの液晶画面を活用し、24時間リアルタイムでヒロインと生活を共にする恋愛シミュレーションゲーム。まず1999年12月16日にプレイステーションで、ヒロインごとに分かれた3作品がデータム・ポリスターから同時発売されました。その翌年、2000年06月08日には3人のヒロイン全員を収録した完全版がドリームキャストで登場しています。隣のお姉さん「愛田由美」、お嬢様育ちの「宝条静香」、元気な後輩「植田史緒」の中からパートナーを選び、据え置き機と携帯端末を行き来しながら、いつでも彼女の存在を感じられる密着した日々を送ります。

ゲームプレイは、自宅のテレビ画面で会話やイベントを楽しむ「在宅モード」と、携帯端末(ポケットステーションやビジュアルメモリ)にデータを転送して持ち歩く「外出モード」のサイクルで進行します。最大の特徴は、携帯端末の小さなモノクロ液晶にドット絵のヒロインが表示され、現実の時間経過に合わせて食事や睡眠、入浴といった生活行動をとることです。プレイヤーは通勤・通学の合間に端末を覗き、メールを送ったり、アルバイト代わりのミニゲームで資金を稼いでプレゼントを買ったりして好感度を高め、週末のデートの約束を取り付けます。ゲーム内の1週間は現実の1週間に相当し、日々の積み重ねが恋の行方を左右するリアルな構成です。

本作の独自性は、ハードウェアの特性を最大限に活かした「距離感」の演出と、機種ごとの機能差にあります。プレイステーション版では赤外線通信による名刺交換が話題となり、ドリームキャスト版ではビジュアルメモリ同士を直接接続してのデータ交換に加え、解像度の向上によりヒロインの表情がより豊かに表現されました。どちらのハードでも、「ポケットの中に恋人がいる」というコンセプトを徹底しており、ふとした瞬間に端末を確認してしまう、デジタルペット的な愛着と恋愛感情を融合させた没入感を提供しています。

データム・ポリスターは、『ルームメイト』シリーズなどで「時間と空間の共有」をテーマにした作品を数多く手掛けたメーカーです。本作はそのコンセプトを携帯機器へと拡張した実験作であり、後のモバイルゲームやコミュニケーションアプリの先駆けとも言える存在です。当時の「たまごっち」ブームとも共鳴するデジタルペット的な愛着形成のプロセスは、現代のデジタルコミュニケーション論の視点からも興味深い事例となっています。

ビジュアルメモリ (ドリームキャスト)

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