『ぷらすぷらむ』は、ブロックに描かれた数値と重さを操り、天秤の均衡を揺らして相手の盤面を押し潰す対戦天秤型パズルアクション。1999年10月7日にTAKUYOからドリームキャストで発売され、2004年1月15日のXbox版『ぷらすぷらむ2』、2006年5月18日のPlayStation 2版を経て、2006年11月16日にはPlayStation Portable版『2 again』が発売されました。

物語の舞台は、不思議な力を持つ石「プラム」が産業を支えるファンタジー世界です。主人公である見習い工房士のテオやカナンたちは、一人前の職人を目指す過程で、ライバルたちとプラム操作の技術を競い合うことになります。駒都えーじ氏による透明感のあるキャラクターデザインと、山口勝平氏や豊口めぐみ氏ら実力派声優陣による賑やかな演出が、作品の温かみのある空気感を支えます。

ゲームの核となるのは、画面上部から落ちてくる同色のブロックを3つ以上繋げて消去するパズルシステムです。最大の特徴は、各ブロックに「+(プラス)」や「-(マイナス)」の数値が設定されている点にあります。ブロックを消去する際、その数値の合計がそのまま相手の盤面に負荷を与える「重さ」として転換されます。単に消すだけでなく、いかに大きな合算値を叩き出して相手の天秤を限界まで押し下げるかという、算術的な思考と判断のスピードが問われる設計です。

続編となる『2』や、その移植版にあたる『again』では、キャラクターごとに異なる特殊技のバリエーションや連鎖の挙動がさらに洗練されました。特定の条件で発動する必殺技は、不利な状況から一気に盤面を押し返す爆発力を持ちます。また、対人戦だけでなく、キャラクターそれぞれの事情が語られるストーリーモードや、ひたすら腕を磨くトレーニングモードなど、一人でも多人数でも楽しめる内容が提供されました。

ドリームキャストでの誕生から、ハードを跨いで進化を続けた本作は、落ち物パズルの爽快感に「天秤の物理的な傾き」という独自の緊張感を融合させた一作です。パズルと経営シミュレーションの要素が入り混じった独特のプレイ感覚は、当時のパズルゲームファンから根強い支持を得ました。

『ぷらすぷらむ』は、多くのアドベンチャーゲームやパズルを手掛けるTAKUYOが制作したオリジナルのタイトルです。1999年にドリームキャストで産声を上げた本作は、家庭用機での展開だけでなく、一時期はアーケードでも稼働するなど、幅広い層に親しまれました。

ぷらすぷらむ