『林海峯九段の囲碁大道』は、名誉天元・林海峯(りんかいほう)九段が監修し、日本棋院の推薦を受けた本格的な囲碁シミュレーション。1996年3月22日にアスク講談社からスーパーファミコンで発売されました。
スーパーファミコン市場の末期に発売された本作は、定価14,800円(税別)という家庭用ソフトとしては異例の高価格設定でも知られています。これは高度な思考ルーチンを実現するために、ロムカセット内に演算処理用の特殊チップを搭載していたためです。これにより、当時の家庭用ゲーム機としては高速な思考と、有段者も納得する打ち筋を実現しています。
ゲーム内容は、織田信長や徳川家康といった戦国武将を相手にする「対局モード」に加え、初心者でもゼロから学べる「入門モード」、そして林海峯九段監修による「詰碁120問」や、本因坊算悦ら歴史的名人たちの棋譜を再現・研究できる「道場モード」を搭載しています。スーパーファミコンマウスにも対応しており、パソコンの囲碁ソフトに近い快適な操作性を実現した、16ビット機世代の囲碁ソフトの集大成と言える作品です。
本作を監修した林海峯名誉天元は、台湾出身のプロ棋士です。昭和の大棋士・呉清源に師事し、23歳で史上最年少(当時)の名人位を獲得。「二枚腰」と称される粘り強い棋風で知られ、長きにわたり日本囲碁界のトップとして活躍したレジェンドです。













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