『信長の野望・天翔記』は、1994年のPC-9801版を原点とするシリーズ第6作で、以降さまざまな機種に移植されました。家庭用やWindows版ではグラフィックや操作系の最適化が行われつつ、基本的なゲームシステムはPC-9801版を踏襲しています。
本作の大きな特徴は、シリーズ初の「軍団制」の導入です。複数の城をまとめて軍団として編成し、軍団長に任命した家臣に前線や方面の運営を委任できます。軍団長は独自に行動し、戦況や外交に応じて判断を下すため、広大な領土を効率的に管理できる一方、裏切りや独立といったリスクも孕んでいます。武将能力は「才能値」と「実行値」に分かれ、戦闘や教育によって成長する仕組みが導入され、兵科適性や技能など育成要素も強化されました。
内政は簡略化され、収入源となる施設は自動収入化。複数武将への一括命令が可能になり、進行テンポが向上しています。合戦は城単位で行われ、兵科適性や陣形の相性が勝敗に影響します。AIは好戦的で、終盤でも激しい攻防が続くバランスが特徴です。
Sega Saturn版(1995年9月)
PC-9801版をベースにした家庭用移植で、当時の家庭用機としては高解像度寄りの表示とCD-ROMによるBGM再生が特徴。操作はコントローラーに最適化され、メニュー選択やカーソル移動がパッド操作向けに調整されています。ロード時間はあるものの、PC版に近い情報量を維持していました。
Windows 95版(1995年12月)
PC-9801版からの移植で、当時のWindows環境に合わせた高解像度表示とマウス操作に対応。BGMはMIDIやCD-DA再生が可能で、環境によって音質が変わります。PCならではのセーブスロット数や処理速度の安定性が魅力でした。
スーパーファミコン版(1996年1月)
家庭用向けにグラフィックやインターフェースを簡略化し、文字サイズや情報表示をTV画面向けに調整。BGMはSFC音源によるアレンジ版で、ロード時間はほぼなくテンポよく進行できますが、PC版に比べると武将顔グラや一部演出が簡略化されています。
PlayStation版(1996年3月)
SFC版に近い構成ながら、CD-ROM容量を活かしてBGMをCD音源化し、イベント演出や顔グラフィックを強化。セーブはメモリーカード対応で、ロード時間はやや長めですが、音質面では家庭用随一でした。
Windows XP版(2002年6月)
Windows 95版をベースに、最新OS対応や動作安定化を施した再販版。解像度やUIは旧PC版準拠ですが、XP環境での互換性が確保され、CD-DA音源やMIDI再生も可能。長期的に遊べる安定版として位置づけられます。
PSP版(2005年9月)
パワーアップキット版をベースにした携帯機移植。ワイド画面に合わせたUI再配置やフォント調整が行われ、スリープ機能で長期プレイがしやすくなっています。BGMは圧縮音源ですが、携帯機でほぼ完全なPK版を再現しており、外出先でも本格的なプレイが可能です。
Widh パワーアップキット版
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