『モータルコンバット』(Mortal Kombat)は、1992年にMidway Gamesがアーケード向けに開発・発売した対戦型格闘ゲームで、過激な演出と実写取り込み技術を用いたキャラクター表現で世界的な話題を呼んだシリーズの第1作です。日本ではタイトーがアーケード版をライセンス販売し、家庭用ではアクレイムジャパンより複数機種に移植されました。

本作の最大の特徴は、対戦に勝利した後に繰り出せる「フェイタリティ(Fatality)」と呼ばれる残虐なフィニッシュ技。サブ・ゼロの「Spine Rip(脊髄引き抜き)」など、当時としては衝撃的な演出が含まれており、北米では議会で問題視されるほどの社会的反響を巻き起こしました。これが後のレーティング制度(ESRB)設立のきっかけのひとつとなったとも言われています。

メガドライブ版では、隠しコマンドを入力することでアーケード版に近い残虐描写が再現可能。スーパーファミコン版では流血表現が規制され、フェイタリティの内容も変更されるなど、機種ごとの違いが大きく、当時のユーザー間で議論の的となりました。以降のシリーズでは「Friendship」「Babality」「Stage Fatality」など多様なフィニッシュ技が追加され、格闘ゲームの演出面に大きな影響を与えました。