1991年冬にバンプレストから発売されたスーパーファミコン用ソフト『バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法』は、複数のロボットアニメ作品をクロスオーバーさせたシミュレーションゲームです。登場ロボットは可愛らしいデフォルメ姿で擬人化されていますが、ゲーム本編のシナリオと原作との関連性は薄く、独立した物語として楽しめます。

ゲームの舞台は、はるか遠い時空に存在する中央大陸。機動族、日出族、魔神族の3つの種族が、互いに見えない「壁」によって隔てられ、平和な均衡を保っていました。しかし、突如として「壁」が消滅。種族間の争いが勃発し、大陸は戦乱の渦へと巻き込まれていきます。プレイヤーは最初にプレイする種族を選択し、その種族の最高指揮官として戦いを指揮することになります。

当初はそれぞれの種族で独立したシナリオが展開されますが、ゲーム後半では3種族が合流し、共通のシナリオへと進んでいきます。ただし、日出族のみ、合流前のストーリーが他の2種族と大きく異なっている点が特徴です。魔神族の合流前ストーリーは、細部の設定こそ異なるものの、機動族の裏側を描いた内容となっています。

リアルタイム制が戦略に深みを与える

本作最大の特徴は、当時のシミュレーションゲームとしては珍しいリアルタイム制を採用している点です。リアルタイムストラテジーに通じる独特のゲーム性は、プレイヤーに新たな戦略思考を要求します。

ゲームの基本単位となるのは、1人の指揮官と最大3人までの兵士、または特殊な効果を持つピースで構成される「ユニット」です。一度に編成できるユニット数には上限があり、最大8ユニットまでとなっています。各ステージには、「敵指揮官を一定数以上撃破する」「敵軍のGHQを占領する」といった勝利条件が設定されており、これらを達成することでステージクリアとなります。

自軍のGHQが敵に占領されるか、最高指揮官が戦死してしまうと敗北となり、ゲームオーバーとなるため、常に緊張感のある戦いを強いられます。指揮官の能力はユニット全体に影響を与えるため、指揮官の育成も重要な要素となります。キャラクターはレベルが一定値を超えると自動的に指揮官に昇格します。

兵種は、ナイト、ガンナー、マリナー、フライヤー、ステルサー、ウィザーディー、ナース、ファイターの8種類が存在し、それぞれ異なる特性を持っています。ユニットは通常兵器と地点攻撃兵器を使用し、兵士はアイテムを4つまで所持可能です。これらの要素を組み合わせ、戦略的にユニットを運用することが勝利への鍵となります。