『恐怖の世界』、2023年10月19日にPLAYISMから発売されたNintendo SwitchおよびPlayStation 4対応のコズミックホラーローグライトRPG。旧き神々が目覚めようとしている1980年代の日本の小さな港町「塩川町」を舞台に、迫りくる世界の終焉を阻止するため、怪異に満ちた事件の解決に挑む探索型のホラー作品となっています。

物語は、町で発生する不気味な現象や都市伝説を調査するところから始まります。プレイヤーは複数の主人公から一人を選び、ターン制で進行する時間の中で、「ハサミ女」や「森の精霊」といった怪異と対峙しながら、破滅(DOOM)のカウントダウンがゼロになる前に元凶を封じるための鍵を探します。

本作の最大の特徴は、1ビット(白黒2色)で描かれたレトロなピクセルアートです。初期のMacintosh時代のアドベンチャーゲームを彷彿とさせるビジュアルと、不穏なチップチューンサウンドが、懐かしくも恐ろしい独特の空気を醸し出しています。戦闘やイベント判定にはダイスロールなどのTRPG要素が取り入れられており、運と戦略、そしてリソース管理が生死を分けるシビアなバランス調整がなされています。

理不尽な死や発狂と隣り合わせの状況で、何度も挑戦し少しずつ知識を蓄えていくローグライトなゲーム性。日本のホラー漫画とクトゥルフ神話への深いリスペクトが込められた、狂気と美学が同居する唯一無二の体験がプレイヤーを待ち受けています。

本作は、ポーランドのインディーゲーム開発者panstasz(パウエル・コズミンスキ)氏が個人で開発したPCゲーム(Steam早期アクセス版)を完成させ、コンシューマー向けに移植した作品です。開発者は歯科医という経歴を持ちながら、日本のホラー漫画や80年代のPCゲームへの愛を注ぎ込み、MSペイントを使ってグラフィックを描き上げました。その独創的なスタイルは世界中のインディーゲームファンから高く評価されています。

恐怖の世界