『トリノライン』、2023年9月28日にエンターグラムから発売されたNintendo Switch対応の恋愛アドベンチャーゲーム。夏の暑い日、水難事故で亡くなったはずの妹が、その記憶を持ったアンドロイドとして帰ってくるという衝撃的な導入から始まる、喪失と再生を描いたSFヒューマンドラマ作品となっています。
物語の舞台は、アンドロイド技術が発達した近未来の離島です。主人公・七波舜は、最愛の妹・白音を失った悲しみを抱えながら日々を過ごしていましたが、ある日、妹と瓜二つの姿をし、彼女の記憶を持つ新型アンドロイド「トリノ」と出会います。「これから、よろしくお願いします。お兄ちゃん」――そう微笑む彼女との奇妙な共同生活を通じて、主人公は「妹の記憶を持つ機械」を家族として愛せるのか、そして「心」とは何なのかという重く切ない問いに向き合うことになります。
本作は、美少女ゲームブランド「minori」が制作したPCゲームの移植版であり、映画のように視点が切り替わる演出や、透明感あふれる美麗なグラフィックが特徴です。アンドロイドであるトリノの無垢な反応や、幼馴染たちとの温かくも複雑な人間関係が丁寧に描かれ、プレイヤーの涙腺を刺激します。
科学技術がもたらす「救い」と「残酷さ」。ひと夏の出来事を通じて描かれる、愛する人を失った人々の再起の物語が、プレイヤーの心に深く静かに染み渡ります。
本作は、ハイクオリティな映像演出と感動的なシナリオで知られるPCゲームブランド「minori」が2017年に発売した18禁恋愛アドベンチャーゲーム『トリノライン』の全年齢向け移植版です。『ef – a fairy tale of the two.』などを手掛けたスタッフによる作品であり、SF設定をベースにしつつも、家族愛や人間愛といった普遍的なテーマを扱った名作として高く評価されています。












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