『鳥類弁護士の事件簿』(原題:Aviary Attorney)は、擬人化された動物たちが暮らす1848年のフランス・パリを舞台にしたアドベンチャーゲームで、2015年にSketchy Logicによって開発され、PC向けに発売されました。その後、2022年12月16日にNintendo Switch版が日本でリリースされました。本作は、コナミの『ビートマニア』のような音楽ゲームとは異なり、ビジュアルノベル形式で展開する法廷ミステリーで、プレイヤーは鳥の弁護士ジェイジェイ・ファルコン(Jayjay Falcon)となり、相棒のスパロウソン(Sparrowson)とともに事件を解決に導きます。『逆転裁判』シリーズにインスパイアされたゲーム性と、ユニークな世界観で注目を集めました。
ゲームの概要と特徴
プレイヤーはジェイジェイ・ファルコンとして、革命の気運が高まるパリで、罪を犯した者や無実の人々が溢れる混沌とした社会を背景に、依頼人の弁護に挑みます。ゲームは調査パートと法廷パートで構成され、限られた日数内にパリの街を探索して手がかりや証拠を集め、裁判で証人を尋問し無罪判決を目指します。調査では多くの「赤 herrings(ミスリード)」が用意されており、戦略的な選択が求められます。物語は複数のエンディングを持つ分岐型で、プレイヤーの選択が結末に影響を与えます。楽曲にはロマン派の作曲家カミーユ・サン=サーンスの作品が、キャラクターアートには19世紀の風刺画家J.J.グランヴィルのイラストが使用され、独特の雰囲気を作り出しています。
シリーズの背景と影響
『鳥類弁護士の事件簿』は、2015年にKickstarterで約18,917ポンドを調達し開発されたインディーゲームです。『逆転裁判』シリーズを彷彿とさせるゲームプレイと、擬人化された鳥たちのユーモラスかつシリアスな物語が特徴で、批評家から高い評価を受けました。特に、94%のSteamユーザーレビューが「非常に好評」を記録しています。2022年のSwitch版発売時には、『はーとふる彼氏』のクリエイターMoaによる描き下ろしイラストが公開され、ジェイジェイ・ファルコンやスパロウソンらが登場する賑やかなビジュアルが話題に。開発者インタビューでは「鳥を弁護士にしたのは面白いと思ったから」と語られており、ユニークな発想がゲームの魅力となっています。
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