『薄桜鬼 真改 黎明録』は、2021年8月26日にアイディアファクトリー（オトメイト）より発売されたNintendo Switch用幕末ドラマティックアドベンチャーゲームであり、新選組の誕生秘話を描いた前日譚『黎明録』を、リメイクシリーズ『真改』のクオリティで一新したタイトルです。プレイヤーは、行き倒れていたところを芹沢鴨に拾われた青年・井吹龍之介となり、のちに「新選組」として恐れられる男たちの若き日の苦悩や覚悟を、間近で目撃することになります。

本作の物語は、本編の主人公・雪村千鶴が彼らと出会う数年前、まだ「浪士組」として京に上ったばかりの時期を舞台としています。土方歳三や沖田総司らが、いかにして鬼の副長や剣客としての地位を築き、武士としての魂を確立していったのか、その原点となるエピソードが男たちの群像劇として熱く語られます。

特に焦点が当てられるのは、新選組の筆頭局長でありながら歴史の闇に消えた男、芹沢鴨の存在です。傍若無人で冷酷な振る舞いを見せる芹沢と、それに対立しつつも影響を受けていく土方たちの確執を通じ、彼らが掲げる「誠」の旗に込められた血と涙の意味が明らかにされます。

『真改』シリーズの一環としてグラフィックが高解像度化され、イベントCGや演出が大幅に強化されています。さらに、新規シナリオや追加CGも収録されており、かつてオリジナル版をプレイしたファンにとっても、より鮮明で深みのある物語として再構成された「夜明け前」の物語が体験されます。