『ファタモルガーナの館』は、2012年12月31日にNOVECTACLEよりPC向けに発売された西洋浪漫サスペンスホラーノベルゲームで、記憶を失った主人公が謎の女中に導かれ、呪われた洋館の過去を巡る物語を体験する作品です。後に複数機種へ移植され、2021年にはSwitch向け完全版『DREAMS OF THE REVENANTS EDITION』が登場しました。

本作は、19世紀ヨーロッパ風の洋館を舞台に、時代を超えて繰り返される悲劇を描いた群像劇です。プレイヤーは「あなた」として目覚め、女中とともに館の扉を開きながら、そこに囚われた魂たちの物語を追体験します。各章で異なる登場人物の悲劇が語られ、やがてそれらが一つの真実へと収束していく構成は、重厚かつ繊細なストーリーテリングとして高く評価されています。

演出面では、耽美的なビジュアルとオリジナル楽曲が物語の世界観を強く支えており、特に音楽は歌入りの楽曲も多数収録され、感情の揺れを巧みに演出します。選択肢によって分岐するマルチエンディング形式を採用しており、プレイヤーの選択が物語の結末に影響を与えます。

移植版では、追加エピソード『Another Episodes』や、前日譚・後日譚を含む『COLLECTED EDITION』『DREAMS OF THE REVENANTS EDITION』などが展開され、シリーズ累計販売本数は30万本を突破しています。2025年には北米での実写化プロジェクトも進行中で、国際的にも注目を集めています。