『三國志14』は、2020年1月16日にコーエーテクモゲームスより発売された歴史シミュレーションゲームである。『三國志』シリーズの第14作であり、シリーズ35周年記念作品として開発された。対応機種はPlayStation 4およびWindows(Steam)で、後にNintendo Switch版も展開された。

本作では、シリーズとしては『三國志IX』『三國志11』に連なる一枚マップ制を採用しており、中国全土を細かい土地の集合体として再現している。プレイヤーは君主の一人となり、後漢末期から三国時代にかけての中国統一を目指す。土地の奪い合いは色の塗り分けによって表現され、視覚的に戦況を把握しやすい設計となっている。

登場武将はシリーズ最多の1,000人以上で、それぞれに「個性」「戦法」「陣形」などが設定されている。これにより、武将の能力だけでなく性格や戦術傾向が戦局に影響を与える。外交、計略、内政、戦闘といった要素は従来作よりも簡略化されつつも、戦略性を損なわないよう調整されている。

2020年12月10日には、拡張版『三國志14 with パワーアップキット』が発売された。これは『三國志14』本編に加え、追加要素を含む「パワーアップキット」を同梱した完全版である。新要素として「地の利」システムが導入され、州ごとに異なる戦略効果が設定された。たとえば、青州を制すると自動占領範囲が広がり、幽州を制すると烏桓との外交が可能になる。

また、シリーズ初となるユーラシア諸外国との交易が実装され、ローマやインドなどとの関係構築によって名品や戦法を獲得できるようになった。さらに、三国志の名場面を再現するショートシナリオ「戦記制覇」モードが追加され、短時間で濃密なプレイが可能となっている。外交交渉の材料に地域が加わり、地形に応じた新たな建造物も登場するなど、戦略の幅が大きく広がった。