『ジラフとアンニカ』(Giraffe and Annika)は、2020年2月18日にPC(Steam)版が、同年8月27日にPlayStation 4およびNintendo Switch向けに発売された3Dアドベンチャー+リズムアクションゲームであり、開発はインディーゲームスタジオ「atelier mimina」、販売はPLAYISM(PC)およびアクティブゲーミングメディア(家庭用)が担当した。ジャンルとしては、探索型アドベンチャーと音楽ゲームを融合させた構成であり、猫耳の少女アンニカを主人公としたハートフルな物語が展開される。

物語は、記憶を失った少女アンニカが、不思議な島「スピカ島」で目を覚ますところから始まる。彼女は少年ジラフと出会い、「星のかけら」を集めてほしいという依頼を受ける。島には5つのダンジョンが存在し、それぞれの奥にはボスが待ち構えており、ボス戦ではリズムゲーム形式のバトルが展開される。アンニカはダンジョンを攻略するごとに新たな能力(ジャンプ、潜水、ダッシュなど)を獲得し、探索範囲が広がっていく。物語が進むにつれて、アンニカの記憶や島の秘密、ジラフとの関係性が徐々に明かされていく構成となっている。

ゲームシステムは、昼夜の時間経過、探索によるアイテム収集、ねこ絵の収集要素、ギャラリー解放などが実装されており、戦闘要素は存在せず、敵との接触は回避によって対処する形式である。ボス戦は音楽に合わせてタイミングよく入力するリズムアクションで構成されており、演出と音楽が同期した没入感の高い体験が提供される。ストーリーパートはフルカラーのコミック風演出で進行し、セリフや演出が絵本的な温かみを持って描かれている。

演出面では、キャラクターデザイン・原作・ディレクション・プログラムを斉藤敦士(atelier mimina)が一手に担当し、音楽はSonica Inc.のTOMZUIN Hが手がけている。主題歌やリズムゲーム用楽曲はオリジナルで構成されており、幻想的かつ優しい音楽が作品世界を彩っている。グラフィックはUnreal Engine 4を用いた3D表現で、柔らかい色調と絵本的なビジュアルが特徴である。

PS4およびSwitch版には、初回特典としてアートブックやサウンドトラック、設定資料集などが同梱されたパッケージ版も存在し、店舗別特典として壁紙、クリアファイル、缶バッジなどが付属した。なお、ゲーム本編は日本語・英語・中国語(簡体字/繁体字)に対応しており、海外展開も行われている。