【PS4】ハジラブ -Making*Lovers-

ゲーム概要

『ハジラブ -Making*Lovers-』。そのタイトルから連想されるのは、甘酸っぱい恋の始まり、そしてその過程で生まれる数々のドラマだろう。本作は、まさに「恋を創り上げる」というコンセプトを体現した作品だ。ただの恋愛ADVではない。キャラクターの内面を深く掘り下げ、プレイヤー自身が彼女たちの心の機微に触れ、寄り添うことで、より濃密な関係性を築き上げていく。それはまるで、現実の恋愛のように、試行錯誤と発見に満ちた体験となるはずだ。懐かしい雰囲気の中に、現代的なアプローチを取り入れた意欲作と言えるだろう。恋愛ゲームファンならずとも、きっと心を掴まれるはずだ。

特徴的なシステム

本作の特徴は、何と言っても「恥じらいゲージ」の存在だろう。恋愛シミュレーションにおいて、ヒロインの感情を可視化する試みは珍しくないが、本作では「恥じらい」という感情に特化することで、より繊細な心の動きを表現することに成功している。ゲージの変動を見ながら、彼女たちの気持ちを推し量り、最適な行動を選択していく。その過程は、まるでパズルを解くかのような面白さがある。

さらに、「カノジョカイセキ」画面からヒロイン視点のエピソードを閲覧できる点も注目に値する。これにより、単に主人公として物語を追体験するだけでなく、ヒロインの心情をより深く理解することができる。多角的な視点から物語を読み解くことで、より一層感情移入し、キャラクターへの愛着を深めることができるだろう。

引き込まれるストーリー

物語は、主人公が夏祭りで出会った子どもたちから、願いを叶える「星見の滝」の存在を知るところから始まる。幼馴染、先輩、後輩、同級生…。様々な立場のヒロインたちとの出会いを通じて、主人公は誰と「星見の滝」へ向かうのか？

各ヒロインのルートでは、彼女たちの抱える悩みや葛藤が丁寧に描かれる。たとえば、主人公の幼馴染である桜子は、長年の付き合いの中で、友情と愛情の区別がつかなくなっている。後輩の結衣は、過去のトラウマから、理想の「カワイイ」を追求するあまり、本来の自分を見失っている。それぞれのヒロインが持つ背景を知ることで、物語はより深みを増し、感動を呼ぶだろう。

「付き合うところからスタートする」という点も、本作の大きな魅力だ。恋人同士になった後も、二人の関係は決して平坦ではない。様々な困難を乗り越え、絆を深めていく過程は、まるでドキュメンタリーを見ているかのようなリアリティがある。それぞれのルートで異なる結末が用意されているため、何度も繰り返しプレイしたくなること請け合いだ。