『魔界戦記ディスガイア4 Return』は、2011年にPlayStation 3向けに発売された『魔界戦記ディスガイア4』をベースに、追加要素とDLCをすべて収録した完全版として、2014年にPlayStation Vita向けに初リリースされたシミュレーションRPGである。その後、2019年にはPlayStation 4およびNintendo Switch向けにHDリマスター版が発売され、2020年にはSteam版、2022年にはスマートフォン版も配信されている。

物語は、魔界の刑務所「地獄」でプリニーの教育係を務める吸血鬼ヴァルバトーゼが、理不尽な政腐(まかいせいふ)の横暴に反旗を翻し、魔界改革を目指して仲間たちと共に立ち上がるという構成である。かつては“暴君”と恐れられた彼が、プリニーとの「イワシを与える」という約束を守るために政拳奪取を目指すという、破天荒かつ痛快な世直しストーリーが展開される5。

ゲームシステムは、マス目状のマップで展開されるターン制のシミュレーションバトルを採用しており、キャラクターのレベルは最大9999、ダメージは兆単位に達するなど、シリーズ伝統の“やり込み”要素が健在である。連携攻撃、投げ、持ち上げ、ジオエフェクト、魔チェンジ、タワー攻撃など、ディスガイアシリーズならではの戦術要素も多数実装されている。

『Return』版では、PS3版で配信された全DLC(追加キャラクター、シナリオ、アイテムなど)を収録しており、後日談「フーカ&デスコ編」や新キャラクター「ナギ」「ペタ」などもプレイ可能である。また、Vita版以降では「魔界戦記ディスガイア3 Return」や「ディスガイア D2」で好評だったシステムも一部導入されており、快適性と戦略性が向上している。

さらに、スマートフォン版では自動戦闘や戦闘スピードの高速化、クラウドセーブなどの機能が追加されており、放置プレイや端末間のデータ共有にも対応している。