『猿の惑星 Last Frontier』は、2019年10月8日にThe Imaginati Studiosより日本国内で配信されたPlayStation 4用シネマティックアドベンチャーゲーム。大ヒット映画『猿の惑星』リブートシリーズの世界観を基に描かれるインタラクティブドラマです。物語の舞台は、映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』と『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』の間に位置する時代であり、ロッキー山脈の過酷な冬を背景に、生き残りをかけた猿の部族と人間の生存者グループの衝突が描かれます。
本作のゲームプレイには、複雑な操作やアクション要素は一切存在しません。映画を鑑賞するように進行する物語の中で、随所に現れる「選択肢」を決断することだけに特化しており、プレイヤーの倫理観や道徳心が問われる緊迫したシーンが連続します。誰を生かし、誰を見捨てるか、あるいは平和を望むか戦いを選ぶかといった決断の積み重ねが、物語の展開と結末を大きく左右します。
特徴的なのは、猿側と人間側の両方の視点から交互に物語を体験できる点です。一方的な正義や悪を描くのではなく、それぞれの種族が抱える事情や家族への愛、そして生存への渇望を深く掘り下げることで、どちらの側にも感情移入できる重層的なドラマが構築されています。
開発には、映画シリーズで主人公シーザー役を演じたアンディ・サーキス氏が設立したスタジオが携わっており、モーションキャプチャー技術を駆使した圧倒的にリアルな映像表現が実現されています。最大4人までのマルチプレイにも対応しており、スマートフォンを使って家族や友人と一緒に選択肢を投票し合いながら、ひとつの物語を作り上げるという映画鑑賞に近い体験が提供されています。
本作は、ピエール・ブールによるSF小説を起源とし、2011年からリブートされた映画『猿の惑星』シリーズ(『創世記』『新世紀』『聖戦記』)を原作としています。映画と同じ世界観(タイムライン)を共有する外伝として、映画本編には登場しない新たな猿の部族と人間のコミュニティに焦点を当て、映画同様の重厚なテーマと映像技術で再構成されたタイトルです。












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