『ネルケと伝説の錬金術士たち 〜新たな大地のアトリエ〜』は、2019年1月31日にコーエーテクモゲームス(ガストブランド)よりPlayStation 4/PlayStation Vita/Nintendo Switch向けに発売された街づくり×RPGであり、同年3月26日にはSteam版も配信された。アトリエシリーズ20周年記念作品として制作され、歴代の錬金術士たちが一堂に会するクロスオーバータイトルである。
本作の主人公は、貴族の少女ネルケ・フォン・ルシュターム。彼女は錬金術の才能に恵まれなかったものの、賢者の遺物「グランツヴァイトの樹」を探すため、辺境の村ヴェストバルトの担当管理官として赴任し、村の発展と遺物の調査を両立させることになる。物語は、異世界から転移してきた歴代アトリエシリーズの錬金術士たちと協力しながら、街を発展させていく群像劇形式で進行する。
ゲームシステムは、平日と休日の2パートに分かれており、平日は街の建築・経営指示、休日は住民との交流や調査(探索)を行う構成となっている。プレイヤーは、畑や店、アトリエなどの施設を建設し、素材の採取・調合・販売を通じて資金を得て街を拡張していく。調合は錬金術士に依頼する形式で、素材や源素、好感度、研究進行など複数の要素が絡む。また、戦闘は最大5人編成のターン制バトルで、スキルポイントを溜めてスキルや必殺技を発動する形式が採用されている。
登場キャラクターは、『マリーのアトリエ』から『リディー&スールのアトリエ』までの主人公格および主要キャラが多数登場し、NOCOによるリデザインが施されている。各キャラには好感度や適性が設定されており、街の運営や調合、戦闘において個性が反映される。また、キャラ同士のクロスオーバーイベントやスチル演出も豊富に用意されており、シリーズファンにとっては夢の競演が実現されている。
演出面では、フルボイスによるイベント、NOCOによる新規イラスト、柳川和樹・阿知波大輔らによるBGMなどが高く評価されており、主題歌「Alchemia」(歌:霜月はるか)も作品世界を彩っている。UIや操作性にはやや難があるものの、街づくりとキャラ交流を軸にした構成は独自性が高く、アトリエシリーズの外伝的記念作として一定の評価を得ている。
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