『Detroit: Become Human』は、2018年5月25日にソニー・インタラクティブエンタテインメントより発売されたPlayStation 4およびPC用オープンシナリオ・アドベンチャーゲームであり、人間と同等の外見と知能を持つアンドロイドが普及した近未来を舞台にしたQuantic Dreamの野心作です。プレイヤーは、立場も目的も異なる3体のアンドロイドを操作し、自我に目覚めた「変異体」を巡る事件と、人類とアンドロイドの未来を左右する壮大な群像劇を体験します。

本作では、捜査官として変異体を追う「コナー」、自由を求めて立ち上がる「マーカス」、そして過酷な環境から少女を守り抜く「カーラ」という3人の視点が切り替わりながら物語が進行します。彼らの行動や発言、そして決断の一つひとつがバタフライエフェクトのように波及し、物語の結末だけでなく、登場人物の生死や世界の在り方そのものを劇的に変化させる仕組みが採用されています。

ゲームプレイにおいては、直感的な操作で環境を調査したり、緊迫した状況下で瞬時の判断を下したりするQTE(クイックタイムイベント)が物語への没入感を高めています。選択肢の結果はフローチャートとして可視化されており、自分が選ばなかったルートや分岐点を確認し、何度でも時間を遡って異なる可能性を試すことが可能です。

「命」とは何か、「感情」とは何かという哲学的なテーマが、圧倒的なグラフィックと役者の演技を取り込んだパフォーマンスキャプチャーによって重厚に描かれています。プレイヤー自身の倫理観や価値観が問われる数々の選択を経て、自分だけの物語が紡がれるインタラクティブな映像体験が提供されています。

本作は、『Heavy Rain -心の軋むとき-』や『BEYOND: Two Souls』を手掛けたフランスのスタジオQuantic Dreamおよびデヴィッド・ケイジ監督による完全オリジナルのゲーム作品です。技術デモとして公開されたショートフィルム『KARA』を原点とし、アンドロイドが自我を持つ過程とその社会的影響を緻密に描いたSFヒューマンドラマとして再構成されたタイトルとして展開されています。

Detroit: Become Human