『Psychobreak 2(サイコブレイク2)』は、2017年にTango Gameworksが開発し、ベセスダ・ソフトワークスより発売されたサバイバルホラーゲームで、前作『サイコブレイク(The Evil Within)』の直接的な続編にあたります。ディレクターは前作でDLCを手がけたジョン・ジョハナスが務め、エグゼクティブプロデューサーとして三上真司が引き続き参加しています。前作の閉鎖的で狂気に満ちた空間から一転し、本作ではより広大で探索可能なフィールド「ユニオン」を舞台に、主人公セバスチャン・カステヤノスの新たな戦いが描かれます。
物語は、前作の事件から3年後、娘リリーを火災で失い、職も家族も信頼もすべてを失ったセバスチャンが、かつての部下ジュリ・キッドマンから「リリーは生きている」と告げられるところから始まります。リリーは秘密組織「メビウス」によって仮想現実システム「STEM」のコアとして利用されており、現在その内部で行方不明になっているというのです。セバスチャンは娘を救うため、再び悪夢のような精神世界へと足を踏み入れる決意を固めます。
本作の最大の特徴は、前作のリニアな構成から脱却し、セミオープンワールド形式の探索が可能になった点にあります。プレイヤーは「ユニオン」と呼ばれる仮想都市を自由に探索し、サイドミッションや収集要素を通じて世界の背景や登場人物の過去を掘り下げることができます。戦闘はステルスと銃撃の両方に対応しており、限られた資源をどう使うかというサバイバル要素も健在です。さらに、クラフトシステムや武器のアップグレード、スキルツリーによる成長要素も強化されており、プレイスタイルに応じた柔軟な攻略が可能です。
敵として登場するのは、異形のクリーチャーだけでなく、芸術を名乗る殺人鬼ステファノや、信仰に狂った神父セオドアといった人間の悪意が具現化した存在たちで、彼らの支配するエリアはそれぞれ異なる美学と恐怖に満ちています。物語はセバスチャンの内面にも深く踏み込み、喪失と贖罪、そして家族への愛というテーマが重層的に描かれます。2018年には無料アップデートで一人称視点モードが追加され、より没入感の高いプレイが可能になりました。
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