『バトルボーン』は、Gearbox Softwareが開発し、テイクツー・インタラクティブより2016年に発売されたヒーローシューター型のオンライン専用アクションゲームです。FPSとMOBAの要素を融合させた設計が特徴であり、最大10人による5対5の対戦が可能な構造を備えています。プレイヤーは25人以上の個性的なヒーローから1人を選択し、異次元の侵略者「ヴァレルシ」から宇宙最後の星「ソーラス」を守るという設定のもと、戦術と連携を駆使して戦います。

ゲームシステムは、一人称視点によるアクションと、各ヒーローの固有スキル・アルティメット技を活用した戦術的プレイが融合された構造です。ヒーローは「ラスト・ライト・コンソーティアム」「エルドリッド」「ローグ」「統合平和維持共和国(UPR)」「ジェネリット帝国」の5勢力に分類され、それぞれに異なる思想・背景・戦闘スタイルが設定されています。これにより、単なる性能差ではなく、世界観と戦術の両面でプレイヤーの選択に意味を持たせる設計が施されています。

ストーリーモードでは、レンダイン将軍率いるヴァレルシによって宇宙の星々が吸収されていく中、最後の星を守るために各勢力のヒーローが共闘するという物語が展開されます。登場キャラクターは、剣士ラース、魔女オレンディ、人工知能ISIC、キノコ型ヒーラーのミコなど、外見・能力・背景が極めて多様であり、プレイヤーの操作感や戦術選択に大きな影響を与える構造となっています。これらのキャラクターは、MOBA的な役割分担(タンク、アタッカー、サポート)を前提に設計されており、チーム構成の最適化が勝敗に直結する仕様です。

加えて、ゲームはアンリアルエンジン3を用いて開発されており、アニメ調のグラフィックとテンポの良い演出が融合された視覚設計が採用されています。発売当初はオープンベータテストに200万人以上が参加するなど高い注目を集めましたが、2021年1月にオンラインサービスが終了し、現在はプレイ不可となっています。結果として、『バトルボーン』は、MOBAとFPSの融合を試みた意欲作であり、キャラクター性と戦術性を重視した設計思想が色濃く反映されたタイトルといえます。