『三國志13』は、2016年1月28日にコーエーテクモゲームスからPlayStation 4およびPlayStation 3向けに発売された、シリーズ30周年記念作品となる歴史シミュレーションゲームです。本作のコンセプトは「これぞ三国志。百花繚乱の英傑劇」。従来のシリーズ作品と異なり、プレイヤーは君主だけでなく、一般武将や在野の人物としてもプレイ可能な「全武将プレイ」が採用されており、三国志の世界をより多面的に体験できる構成となっています。

ゲームは中国全土を一枚のマップで再現し、内政・外交・戦争といった要素がリアルタイムで進行。戦闘では水上戦や攻城戦なども描かれ、スケール感のある戦略が求められます。また、武将同士の「絆」や「人間ドラマ」が重視されており、イベントや会話を通じて関係性が深まることで、新たな行動や命令が可能になる仕組みも導入されています。

さらに、後に発売された『三國志13 with パワーアップキット』では、威名システムや在野プレイの強化、追加シナリオなどが加わり、より自由度の高いプレイが楽しめるようになりました。

三國志13 with パワーアップキット

『三國志13 with パワーアップキット』は、コーエーテクモゲームスが2016年12月22日にPlayStation 4、PlayStation 3、Windows向けに発売した歴史シミュレーションゲーム『三國志13』の拡張版である。シリーズ30周年記念作品として開発された『三國志13』に、戦略性と物語性を強化する多数の新要素が追加されている。

本作の最大の特徴は「威名」システムの導入である。武将が特定の威名を名乗ることで、専用の行動コマンドが解禁され、軍師・武官・在野などの立場に応じたプレイスタイルが可能となる。また、君主専用の「君令」システムでは、勢力の方針を決定することで内政・外交・軍事に影響を与え、勢力ごとの個性がより明確に表現されるようになった。

さらに、イベント編集機能が追加され、プレイヤー自身がオリジナルのイベントや依頼を作成できるようになった。登場人物、台詞、発生条件、分岐、BGMなどを細かく設定することで、三国志の世界に自分だけの物語を挿入することが可能となっている。

戦闘面では、舌戦や一騎討ちの演出が強化され、特定の威名を持つ武将は専用技を使用できるようになった。加えて、都市間の要衝や港に「城塞」を建設することで、兵站や防衛戦略に深みが加わり、戦場の地形や補給線が戦局に影響を与えるようになっている。

これらの要素により、『三國志13 with パワーアップキット』は、武将一人ひとりの生き様をより濃密に描き出す作品へと進化した。従来のシリーズに比べて自由度が高く、戦略・人間関係・物語演出のすべてにおいてプレイヤーの選択が重視される構成となっている。