『メダロット9 カブトバージョン・クワガタバージョン』は、2015年12月24日にロケットカンパニーから発売されたロールプレイングゲームで、シリーズ本編としては『8』の続編にあたるナンバリング第9作です。

本作では、メダロット社が主催する世界大会「メダリンピック」を舞台に、プレイヤーは主人公「テンマ」となって、相棒メダロットと共に世界の強豪たちと戦いながら、失踪した兄の行方を追います。物語は大会を軸に進行しつつ、陰謀や過去の因縁が絡み合うシリアスな展開が描かれます。

戦闘システムは前作『8』の3対3チーム制を継承しつつ、「メダリア」や「メダルフォース」などの新要素が追加され、戦略性とカスタマイズ性がさらに強化されています。登場メダロットは300体以上にのぼり、頭部・両腕・脚部のパーツとメダルの組み合わせによって多彩な戦術が可能です。バージョンごとに登場キャラクターや入手できるメダロットが異なり、異なる視点から物語を楽しむことができます。

演出面では、フルボイスのイベントシーンやアニメ調のカットイン演出が導入され、シリーズとしての完成度が高められています。一方で、テンポの遅さや一部バランスの粗さ、DLC依存の強さなどが指摘され、評価は分かれる結果となりました。

本作は、1997年にゲームボーイで第1作が発売された『メダロット』シリーズを原作としています。原作はロボット同士のカスタマイズバトルを軸に、アニメ・漫画・玩具など多方面に展開され、長年にわたり多くのファンを獲得してきました。

『メダロット9』はナンバリング本編として『8』の続編に位置づけられ、前作の戦闘システムをベースにしながら新要素を加え、物語・演出・ボリュームの面でシリーズ集大成的な内容を目指した作品です。

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