『プチノベル』シリーズは、同人サークルtalestuneが制作した短編ビジュアルノベル『収穫の十二月』をベースに、Flyhigh Worksよりニンテンドー3DS向けに展開されたダウンロード専売タイトル群です。シリーズは全13話構成で、豪雪地帯・多紙町を舞台に、神と人間の間に生まれる奇妙な三角関係を軸とした物語が月ごとに描かれています。各話は1時間前後で完結する読み切り形式でありながら、全体として連続性を持つ構成となっています。
物語は、主人公・紺野柾木が土地神「しろ」と名家の令嬢「十和田雪」から同時に告白される場面から始まり、神と人間、そして周囲の人々との関係性が季節の移ろいとともに変化していきます。各話では、視点人物の変更や新キャラクターの登場、神々の力の変動などが描かれ、恋愛・家族・信仰・社会制度といったテーマが交錯する構造となっています。シリーズ後半では妊娠・出産・別離・再生といった展開が加わり、物語は大団円へと収束します。
3DS版は、スマートフォン版やPC版と異なり、各話が個別タイトルとして配信されており、価格は第1話が100円、以降は各200円に設定されています。操作性や視認性に優れた設計が施されており、通勤・通学時の短時間プレイにも適した構成となっています。なお、シリーズ全話を収録した英語版も欧米市場向けに展開されており、国内外で一定の評価を得ています。
『プチノベル』シリーズ作品
- 第1話:収穫の十二月(2013年12月18日)
多紙町に転入した主人公が、神と人間の少女から同時に告白される - 第2話:境域の一月(2014年1月29日)
隣町の土地神まどいとの交流を描く瑞穂視点の物語 - 第3話:贈与の二月(2014年2月26日)
早苗が耕平への想いを告白しようと奮闘する青春編 - 第4話:恋々の三月(2014年3月19日)
雪と柾木が赤ん坊の世話を通じて親密になる過程が描かれる - 第5話:青嵐の四月(2014年4月23日)
元恋人・蒼の転入により四角関係が発生する複雑な構成 - 第6話:闘劇の五月(2014年5月21日)
まよいとしろの神同士の対決イベントが展開される - 第7話:婚儀の六月(2014年6月25日)
耕平と早苗の関係が進展し、婚儀が行われる祝福の章 - 第8話:神学の七月(2014年7月16日)
しろの神力が失われ、多紙町に異変が起こる神話的展開 - 第9話:祝祭の八月(2014年8月27日)
六式島での神降ろし儀式と妊娠騒動が物語を転換させる - 第10話:子宮の九月(2014年9月24日)
柾木が一ヶ月限定の恋人・ゆかりと過ごす感情的な挿話 - 第11話:破談の十月(2014年10月22日)
雪との絆が深まり、しろとの関係が遠ざかる展開 - 第12話:別離の十一月(2014年11月19日)
疎外されたしろと、町を襲う狼との衝突が描かれる - 第13話:収斂の十二月(2014年12月24日)
柾木が雪としろの間で答えを出し、物語が終結を迎える
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