『三國志II』は、プレイヤーが三国志の英雄となり、配下の武将に内政、軍事、外交などの指示を与え、古代中国全土の統一を目指す歴史シミュレーションゲームです。ファミリーコンピュータ用ソフトとして、1人から最大8人までプレイ可能で、開発は光栄が担当しました。

本作は、経済や軍事のリアリティを追求するよりも、『三国志演義』の物語としての面白さを再現することに重点を置いています。煩雑なコマンドやパラメータは整理され、「三国志」の有名なシーンを彷彿とさせる演出が数多く盛り込まれているのが特徴です。国と国との関係は単純な敵味方という二項対立ではなく、外交コマンドの増強によって、より複雑な駆け引きが楽しめるようになりました。

合戦フェイズでは、一騎討ち、寝返り工作、伏兵、共同軍や援軍といった要素が追加され、戦略の幅が広がっています。ZOC(Zone of Control、支配地域)の概念も導入され、より戦術的な思考が求められるようになりました。

ゲーム開始時の武将選択では、能力値が固定された「史実モード」と、ランダムな「仮想モード」を選択可能です。また、新君主を作成してプレイすることも可能になり、オリジナルの武将で中国統一を目指すという、自由度の高い楽しみ方も提供されています。

『三國志II』では、後漢滅亡時のシナリオがシリーズで初めて登場し、鄧艾や鍾会といった三国時代末期の武将が新たに加わりました。総勢352人(特殊な武将を除く)の武将が登場し、ゲームを彩ります。吉川英治の小説『三国志』を原典としているため、夏侯惇の読みがなが「かこうじゅん」となっている点も特徴の一つです。