『目で右脳を鍛える 速読術』シリーズは、新日本速読研究会の川村明宏博士が提唱する「ジョイント式速読術」を基に、視覚訓練を通じて速読能力の向上を目指す速読訓練ゲームです。2006年11月9日にマイルストーンからニンテンドーDSで発売され、2007年6月28日にPlayStation Portable、2012年2月23日にはニンテンドー3DSへと展開されました。

本作の根底にあるのは、文字を一字ずつ追う左脳的な読書法から、文章を「塊」として瞬時に認識する右脳的な処理へと移行させるトレーニングです。画面上を高速で移動するターゲットを目で追う「見るだけトレーニング」や、大量の問題を解きながら目を鍛える「遊んでトレーニング」を軸に据えています。眼筋を強化し、脳の処理速度を引き上げることで、内容の理解度を保ったまま読書スピードを向上させる技術の習得を目的とします。

PlayStation Portable版では、ハードのワイド画面を活かした視認性の高いインターフェースを導入し、縦書き・横書き双方の実戦的な読書訓練が可能です。自身の成長を客観的に把握できるデータ管理機能も充実しており、日々の成績を「トレーニンググラフ」として蓄積できます。場所を選ばず短時間で集中して取り組めるため、受験勉強やビジネスの合間を利用した反復練習に適した環境を提供しています。

2012年に登場したニンテンドー3DS版『3D』では、ハードの最大の特徴である裸眼立体視機能をトレーニングに活用しました。飛び出す映像や奥行きのある動きを取り入れることで、眼筋のストレッチ効果や焦点合わせの能力をさらに刺激し、より多角的な視覚訓練を実現しています。DS版から続く「速読検定」も収録されており、自身の現在の速読レベルを級位として判定できる仕組みも引き継がれました。

川村博士本人による解説ムービーや、速読のポイントを直接指導する教則コンテンツも網羅されています。単なるパズルやクイズではなく、科学的な根拠に基づいた実用的なトレーニング機器としての側面を重視したシリーズです。世代やハードを跨いで進化を続け、効率的なインプット能力を求める多くのユーザーに活用されました。

『目で右脳を鍛える 速読術』シリーズは、速読の第一人者である川村明宏氏の著書やPC用ソフトを原点にしています。「速読は、技術である」という理論に基づき、誰でも後天的に読書スピードを飛躍的に向上させられるメソッドとして広く支持されました。

目で右脳を鍛える 速読術