『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』は、2015年にPlayStation 3およびPlayStation Vita向けに発売されたシミュレーションRPGで、「Zシリーズ」の完結編にあたる作品です。前作『時獄篇』の続編として、融合した多元世界を舞台に、次元を超えた壮大な戦いが描かれます。

物語は、時獄戦役の終結から1年後、異なる地球「翠の地球」から現れた星間軍事連合「サイデリアル」が本格侵攻を開始し、地球の7割以上を制圧。新たな秩序「新地球皇国」が誕生する中、主人公ヒビキ・カミシロとZ-BLUEの仲間たちは、世界の命運をかけた戦いに挑みます。

本作には『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q』『翠星のガルガンティア』『トップをねらえ2！』『フルメタル・パニック！（原作小説版）』などの初参戦作品を含むシリーズ最多の44作品が登場。前作からの続投作品も多数あり、原作の枠を超えたクロスオーバーが緻密に描かれています。

ゲームシステムは『時獄篇』の「タッグバトルシステム」を継承しつつ、「Zクリスタル」や「真化融合」などの新要素が追加され、戦略性と育成の幅がさらに広がりました。戦闘アニメーションはフルボイス対応で、据え置き機ならではの迫力ある演出が魅力です。

また、前作のセーブデータを引き継ぐことでボーナスが得られる「リンクボーナス」や、DLCによるボーナスシナリオ「連獄篇」など、やり込み要素も充実。難易度はシリーズ屈指の高さを誇り、プレイヤーの戦術眼が試される構成となっています。

『天獄篇』は、Zシリーズの集大成として、物語・演出・ゲーム性のすべてが高水準で融合した傑作であり、スパロボファンにとってはまさに“終焉と再生”を体現する一作です。