『機動戦士ガンダム サイドストーリーズ』は、2014年5月29日にバンダイナムコゲームスからPlayStation 3向けに発売された3Dアクションゲームで、開発はB.B.スタジオが担当しました。本作は『機動戦士ガンダム外伝』シリーズの集大成的な位置づけであり、新作シナリオ『ミッシングリンク』を中心に、過去の外伝6作品をリメイク収録したオムニバス構成となっています。

ゲームの中心となる『ミッシングリンク』は、一年戦争を舞台に、連邦軍の極秘部隊「スレイヴ・レイス」とジオン軍の特務部隊「マルコシアス隊」の視点から描かれるクロスストーリーで、後半では宇宙世紀0090年以降の展開や『UC』時代への接続も描かれます。主人公トラヴィス・カークランドとその息子ヴィンセント・グライスナーの因縁、そして謎のMS「ペイルライダー」とそのパイロットである少女クロエ・クローチェを巡る物語が展開されます。

収録作品

  • 『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』
  • 『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』
  • 『ジオニックフロント 機動戦士ガンダム0079』
  • 『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』
  • 『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』
  • 『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』
  • 新作『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』

これらはすべて『ミッシングリンク』と同じアクションシステムに統一されており、原作のゲーム性や演出は大幅に簡略化されています。戦闘は3機編成のチーム制で、リアルタイムアクションとSPゲージによる必殺技、僚機切り替えなどが特徴です。

また、ストーリーモードとは別に「VRミッション」モードが用意されており、機体を自由に編成して100以上のミッションに挑戦可能です。機体の購入・強化、図鑑登録、BGM購入などのやり込み要素も存在します。DLCでは「ユニコーンガンダム」や「ペイルライダー(陸戦重装仕様)」などの追加機体も配信されました。

演出面では、戦闘中のカットインやボイス演出、原作BGMのアレンジなどが盛り込まれていますが、会話デモの多くがボイスなし・顔グラなしのテキストのみで進行するため、没入感に欠けるという評価もあります。また、ロックオンの仕様や僚機AIの挙動、ロード時間の長さなど、操作性やテンポに関する不満も多く、シリーズファンからは賛否両論の作品となりました。

それでも、スレイヴ・レイスやペイルライダー、トーリスリッターといった新規MSは高い人気を誇り、後年の『Gジェネレーション』『EXVS』シリーズなどにも逆輸入されるなど、一定の影響力を持つ作品です。