『メジャーリーグベースボール 2K12』は、2012年3月6日に2K Sportsから発売されたMLB公認の野球シミュレーションゲームで、同年4月26日には日本国内向けにもテイクツー・インタラクティブ・ジャパンよりリリースされました。対応プラットフォームは、PlayStation 3、Xbox 360、PlayStation 2、Wii、PSP、ニンテンドーDS、Windows PCと多岐にわたり、当時としてはほぼすべての現行ハードで展開されたマルチプラットフォームタイトルです。
本作はMLB公式ライセンスを活かし、リアルな選手データと公式球場を再現した本格派ベースボールゲームです。シリーズ終盤にあたる本作では、試合におけるAIの挙動や選手のモーションがさらに洗練され、選手固有のバッティングスタンスや投球フォーム、守備動作など、映像的なリアリズムが高い水準で表現されています。
「MLB Today」では、実際のシーズン進行に合わせて試合日程や成績が更新され、ファンは現実のペナントレースを追体験することが可能でした。球団運営を行う「フランチャイズモード」では、ドラフトやFA交渉、マイナー選手の昇格といった長期的な視点からチーム構築を行えます。また、「マイプレイヤー」モードでは、オリジナル選手を一人作成し、マイナーからメジャー昇格を目指すキャリアモードが用意され、RPG的な成長システムと野球が融合しています。
ジャスティン・バーランダー(当時デトロイト・タイガース所属)がカバーアスリートを務めており、前年度(2011年)のア・リーグMVPおよびサイ・ヤング賞のW受賞者として、本作の目玉選手となっています。実況・解説にはゲイリー・ソーン、ジョン・クルーク、スティーブ・フィリップスの3名が起用され、英語音声での本格的なMLB中継風演出が味わえます。
ゲームの難易度は比較的高めで、ピッチングには独特の操作スティックコマンドを用いる“ピッチャーズ・インターフェイス”が採用されており、再現性の高いプレイを求められる作品です。バッティングや走塁のタイミングにもシビアな判定があり、操作性に慣れるまでは苦戦することもありますが、その分、上達による手応えは明確で、リアル志向のプレイヤーから高評価を得ていました。
CEROレーティングは「A(全年齢対象)」で、暴力表現や過度な演出などは含まれておらず、野球好きの子どもから大人まで安心して楽しめる設計です。
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