『ラチェット&クランク FUTURE2』は、2009年にインソムニアックゲームズが開発し、ソニー・コンピュータエンタテインメントよりPlayStation 3向けに発売されたアクションゲームです。本作は「フューチャー・サーガ」三部作の完結編にあたり、前作『FUTURE』および外伝『海賊ダークウォーターの秘宝』の物語を受け継ぐ構成となっています。タイトルの「A Crack in Time」は、宇宙の時間構造に生じた亀裂を象徴しており、シリーズ初の時間操作ギミックが導入された作品でもあります。

物語は、ゾニーによって連れ去られたクランクを探すラチェットの旅から始まり、ロンバックス族の過去や「グレートクロック」と呼ばれる宇宙の時間管理施設の存在が明かされていきます。ラチェットは、父ケイデンの親友であるアジマス将軍と出会い、ロンバックス族復活のために時間を巻き戻す計画に加担することになります。一方、クランクはグレートクロックの管理者としての訓練を受けながら、ネファリウスの陰謀に巻き込まれていきます。物語は、時間改変の是非を巡る葛藤と、ラチェットとクランクの再会を軸に展開されます。

ゲームシステムは、ラチェットとクランクの操作パートが分離された構成で、ラチェットは宇宙船「アフィリオン」で銀河を探索しながら戦闘とミッションを遂行し、クランクは「クロノセプター」を用いた時間操作によるパズル攻略を担当します。ラチェットの武器には「コンストラクトシリーズ」が導入され、パーツの組み合わせによって性能をカスタマイズ可能です。クランクのパートでは、時間の録音と再生による分身操作が可能となっており、複雑なギミック解除が求められる構成です。

演出面では、シリーズ初のHDグラフィックによる高精細な映像表現が導入され、宇宙空間の探索や惑星の描写にリアリティが加わっています。また、ラチェットのホバーブーツによる高速移動、クランクのタイムボムによる時間干渉、ネファリウスの宇宙ステーションでの決戦など、各ステージに固有の演出が施されています。エンディングでは、アジマスの悲劇的な選択と、ラチェットの決断が描かれ、シリーズのテーマである「友情と責任」が強調される構成となっています。