『Colin McRae: DiRT 2』(コリン・マクレー:ダート2)は、2009年11月5日にコードマスターズよりPlayStation 3・Xbox 360およびPSP向けに発売されたオフロードレーシングゲーム。本作は、伝統的なラリー競技に加え、ラリークロスやスタジアムトラックといった「X-GAMES」スタイルの現代的で過激なエクストリームスポーツの要素を融合させたレース作品です。2007年にヘリコプター事故で急逝した伝説のドライバー、コリン・マクレー氏へのトリビュートとして制作され、彼が愛したモータースポーツの情熱と興奮がそのままゲーム体験として昇華されています。
プレイヤーは新人ドライバーとなり、自分だけのRV(キャンピングカー)を拠点に世界各地を転戦する「ワールドツアー」へ挑みます。ロンドンのバタシー発電所跡地やユタ州の渓谷、さらには東京の渋谷といった実在のロケーションを舞台に、ケン・ブロックやトラビス・パストラーナといった実在のスーパースターたちと競い合いながら名声を高めていきます。レースの合間にはライバルたちと友人関係を築いたり、RVの中に戦利品を飾ったりと、単なるレースの連続ではなく一人のドライバーとしての生活を楽しめる演出が徹底されています。
システム面における最大の特徴は、レース中に時間を数秒前まで巻き戻せる「フラッシュバック」機能です。これにより、致命的なクラッシュをしてしまった場合でも即座にリトライが可能となり、初心者でもストレスなく極限のスピード感を味わうことができます。また、コードマスターズ独自の「EGOエンジン」による圧倒的なグラフィックと、泥や水の跳ね返りまでもリアルに再現した挙動が、フェスのような会場の熱気とともにプレイヤーを泥まみれの戦いへと引き込みます。
本作の冠となっている「コリン・マクレー」は、1995年にイギリス人初の世界ラリー選手権(WRC)王者となった伝説的なラリードライバーです。「マクレー・クラッシュ」と称されるほど限界を超えた激しい走りで世界中のファンを魅了しましたが、2007年に不慮の事故により逝去しました。本作は、彼が監修した『コリン・マクレー・ラリー』シリーズの正統続編でありながら、彼の死後初めて発売されたナンバリングタイトルとして、その功績とスピリットを後世に伝えるための記念碑的な作品として位置づけられています。












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