『ラチェット&クランク FUTURE』は、2007年にインソムニアックゲームズが開発し、ソニー・コンピュータエンタテインメントよりPlayStation 3向けに発売されたアクションゲームです。本作はシリーズ第6作目にあたり、PS3世代における新章「フューチャー・サーガ」の第1作として位置づけられています。タイトルに「FUTURE」と冠されている通り、シリーズの世界観や演出が一新されており、次世代機ならではの高精細グラフィックと物理演算を活用した構成が特徴です。
物語は、ロンバックス族最後の生き残りであるラチェットが、クラグマイツ族の帝王タキオンによる襲撃を受けるところから始まります。タキオンは「ロンバックスの謎」と呼ばれる次元兵器「ディメンジョネイター」を狙っており、ラチェットとクランクはその真相を探るため、ポララ銀河を舞台にした冒険へと旅立ちます。物語はラチェットの出生やロンバックス族の過去に迫る構成となっており、シリーズ初のシリアス路線が導入されています。
ゲームシステムは、従来の探索型アクションに加え、ジャイロセンサーによる操作や、ラリタニウムによる武器強化、ホロプラン収集による最強武器「RYNOナンバーⅣ」の入手など、多彩な要素が導入されています。また、クランク単独操作による時間干渉ギミックや、宇宙船「アフィリオン」による移動演出、バトルアリーナでのチャレンジミッションなど、プレイバリエーションが大幅に拡張されています。チャレンジモードでは武器のオメガ強化が可能となり、周回プレイによるやり込み要素も充実しています。
演出面では、シリーズ初のHD対応による高精細グラフィックが導入され、光源処理や破壊演出が大幅に強化されています。また、敵の盾属性やステージごとの重力演出など、戦略性と没入感を高める設計が施されています。エンディングでは、2006年に逝去した開発スタッフ「ダン・ジョンソン」への追悼メッセージが表示されるなど、シリーズの節目としての意味合いも込められた作品です。続編として『FUTURE 外伝 海賊ダークウォーターの秘宝』および『FUTURE2』が展開され、フューチャー・サーガとしての物語が継続されていきます。
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