『ウイングコマンダー』(メガドライブ版)は、1994年3月25日にセガよりメガCD向けに発売されたスペースコンバット・シューティングゲームです。米Origin Systemsが開発したPC版をベースに、ゲームアーツとCRIが移植を担当しました。プレイヤーは強襲空母「タイガーズ・クロー」所属の新人パイロット「クリストファー・ブレア」となり、猫型異星人「キルラシー」との戦いに挑みます。ミッションの成否によって物語が分岐するマルチシナリオ方式が採用されています。

ゲームは3D空間でのドッグファイトを再現しており、OriginFXと呼ばれる独自のグラフィック・サウンドシステムにより、拡大・縮小・回転描画された高品質なスプライトが使用されています。登場機体には「ホーネット」「シミター」「ラプター」「レイピア」などがあり、それぞれ性能や武装が異なります。敵機としては「サルシー」「クラント」「グラーサ」「ジャルシー」などが登場し、戦術的な駆け引きが求められます。

メガCD版では、英語音声と日本語字幕によるムービー演出が導入されており、ブリーフィングや戦友との会話などが臨場感を高めています。セーブ機能やマッピング、通信による味方への指示・敵への挑発など、PC版の要素を忠実に再現しつつ、家庭用機向けに最適化された設計となっています。シリーズは後に複数の続編やスピンオフが展開され、SFゲーム史において重要な位置を占める作品です。