19世紀ヨーロッパを舞台にした『ガンブレイズS』は、1998年にセガサターン向けに発売されたコマンド入力式のロールプレイングゲームである。プレイヤーは、売れない探偵「マーク」となり、偶然出会った少女「ジュエル」や仲間たちと共に、秘密結社「薔薇十字団」の陰謀に立ち向かう。

物語は、荒廃したロンドン市街で少女が襲われる場面から始まり、ジュエルが世界征服の鍵となるアイテムを持ち逃げしたことで、組織に追われる展開へと発展する。その後、舞台はドイツへと移り、プレイヤーは各地を巡りながら事件の真相を追う。

ゲームは、行き先を選択する「マクロマップモード」と、キャラクターを直接操作する「キャラクターマップモード」に分かれて進行する。キャラクターマップでは、会話イベントやダンジョン探索が行われ、敵との戦闘はコマンド選択式で展開される。武器にはコルト、レミントン、S&W、ウィンチェスターなど、実在する銃器メーカーの製品が登場し、弾薬や銃の破損といった要素も含まれている。

戦闘では、銃器による攻撃のほか、刀を使う仲間キャラクターも登場。アイテムによる回復や装備変更が可能で、弾薬や武器の予備を確保する戦略が求められる。一方で、エンカウント率の高さや操作性の難点、グラフィックの粗さなど、プレイ体験に影響する要素も指摘されている。

また、ゲーム内には一部のキャラクターに対する性的な演出が含まれており、PC向けのアダルトゲームをベースにした移植作品であると見られる。ただし、セガサターン版では年齢区分に配慮した修正が施されており、露出表現は抑えられている。

全体としては、ダークな世界観と銃器を活用した戦闘システムが特徴のRPGであり、完成度には粗も見られるが、設定や雰囲気に魅力を感じるユーザーも存在する。