『水滸伝・天導一〇八星』は、1997年に光栄(現・コーエーテクモゲームス)から発売された歴史シミュレーションゲームです。本作は中国の古典小説『水滸伝』を題材にしており、前作『水滸伝・天命の誓い』の続編として、より自由度の高い戦略と箱庭的な要塞運営を特徴としています。

プレイヤーは、好漢(義賊)たちの一人として旗揚げし、要塞を拠点に仲間を集め、勢力を拡大しながら奸臣・高俅の打倒を目指します。放浪状態からスタートし、気に入った空き要塞で旗揚げすることが可能です1。

システム・機能としては、リアルタイム進行の内政とターン制の戦闘が組み合わされた構成です。要塞では施設の建設・運営を行い、職業ごとの適性に応じて配下を配置します。登場人物は約350人に増加し、それぞれが1〜2種類の職業を持ち、職業レベルの概念も導入されています。

進行形式は、人気を高めて勅令を得ることで高俅討伐が可能になるという目標型構成です。人気は要塞の発展、戦勝、猛獣退治などによって上昇し、1000に達すると討伐が可能になります。シナリオは複数用意されており、条件を満たすことで隠しシナリオも解放されます。

UI・画面構成は、箱庭型の要塞マップと人物ステータス画面を中心に構成されており、施設の配置や人物の行動が視覚的に把握できます。家庭用機版では顔グラフィックが一新され、イベントも追加されています。

攻略性・リプレイ性は高く、職業や人物の組み合わせによって施設運営や戦術が大きく変化します。戦闘では「略奪」「占領」など目的を選択でき、柔軟な作戦が可能です。また、配下が勝手に宴会を始めるなど、原作の奔放な雰囲気も再現されています。