『ガイアブリーダー』は、絶滅動物のDNAを採取して未来の箱庭動物園に蘇らせる、セガサターン用の育成シミュレーションゲームです。

プレイヤーは直接タイムスリップするのではなく、DNA採取用のスライムを過去に送り込み、動物の群れに潜入させてDNAを収集します。行動は「走る」「食べる」「水を飲む」の3種類で、動物ごとに決められた行動を取ることでDNAの一部を取得可能。例えば、ヌーの群れでは「食べる」だけでDNA採取が完了するため、効率的な収集が可能です。

採取したDNAをもとに動物を復元し、箱庭に放つことで独自の生態系を構築します。肉食・草食のバランス、水場や植物の配置などが重要で、放置すれば餓死や捕食が発生します。さらに、隕石の落下によって動物が突然変異し、新種が誕生することもあります。これらの新種はデータとして保存され、動物園内で飼育可能です。

ゲームは一定期間ごとに品評会が開催され、動物園の完成度に応じて評価が与えられます。ただし、評価基準は曖昧で、猫科動物がいなくても「猫重視」の品評会で高得点を獲得できるなど、仕様に不整合が見られます。品評会後には突然変異以外のDNAが没収されるため、再度採取が必要になる点もプレイヤーの負担となります。

セガサターン版では、ポリゴン描写による動物の再現や箱庭の地形編集が可能ですが、操作性やテンポに課題があり、育成シミュレーションとしての完成度には賛否が分かれました。新生代の動物を扱うという珍しいテーマ性は評価されつつも、ゲーム性の粗さが惜しまれる作品です。