『My Dream 〜On Airが待てなくて〜』は、声優志望の少女たちを取材し、人気スターへと導く声優育成シミュレーションゲーム。1997年9月18日にPlayStation版とセガサターン版が日本クリエイトから同時発売されました。

本作は、1990年代後半の「第三次声優ブーム」の盛り上がりを背景に制作された作品です。最大の特徴は、現役声優である辻谷耕史氏と西村朋紘氏が企画原案および脚本を手掛けている点にあります。プレイヤーの立場はマネージャーやプロデューサーではなく「声優専門誌の編集者(記者)」。取材を通じて新人声優たちと交流し、記事を書いて知名度を上げたり、業界人とのコネクションを活用して仕事を紹介したりしながら、彼女たちを育成していきます。

ゲームシステムにおいて最も異彩を放つのが「マルチキャスティングシステム」です。8人のヒロイン候補に対し、それぞれ3名ずつの担当声優が用意されており、プレイヤーはゲーム開始時に「誰が声を担当するか」を自由にキャスティングできます。例えば、ヒロインの一人である久堂はるか役には、TARAKOさん、松本梨香さん、三石琴乃さんの3名が割り当てられており、選択した声優によってイベントの印象が変化します。総勢36名もの豪華声優陣が出演し、キャラクターデザインには『魔神英雄伝ワタル』などの原画で知られる今井ひづる氏を起用。業界の裏側を知る声優本人が制作に関わったことで、レッスンやオーディション、収録現場といったシチュエーションが具体的に描かれています。

本作の企画・脚本を担当した辻谷耕史氏(『機動戦士ガンダムF91』シーブック役など)と西村朋紘氏(『マクロス7』ギギル役など)は、共に90年代のアニメシーンを牽引した実力派声優です。彼らの知見が活かされた本作は、単なる美少女ゲームに留まらず、当時の声優業界の熱気や構造を垣間見ることができる資料的な側面も持っています。また、キャラクターデザインの今井ひづる氏は、アニメーターとしても多くの作品に関わっており、本作の温かみのあるキャラクター造形は当時のファンから高く評価されました。

My Dream 〜On Airが待てなくて〜(ゲームソフト)

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