『DOOM』（セガサターン版）は、1997年にGT Interactiveより発売されたファーストパーソン・シューティングゲームで、PC版『DOOM』および『DOOM II』をベースにした移植作品です。開発はRage Softwareが担当し、PlayStation版を基に一部コードをセガ32X版から流用した構成となっています。日本国内では同年7月11日にソフトバンクより販売されました。

本作は、地獄の軍勢と戦う宇宙海兵隊員を操作し、銃火器を駆使してステージを攻略していく構成です。セガサターン版では、PlayStation版に存在したカラーライティングやエコー効果が削除され、フレームレートも低下しているため、操作反応や視認性に影響が出ています。また、火炎空の背景は都市景観に差し替えられ、敵の動作も全体的に遅くなっています。一部の音楽トラックは削除され、効果音も低速・低音化されています。

日本版は北米・欧州版よりも最適化が施されており、若干の動作改善が確認されています。また、壁を半透明化する「X-Ray Vision」チートコードが存在し、ポーズ中に「X→右→B→Y→X→右→B→Y」と入力することで発動します。この機能により、壁越しの敵を視認することが可能になりますが、ゲームバランスへの影響は限定的です。