『デジタルアンジュ〜電脳天使SS〜』は、1997年にセガサターン向けに発売されたインタラクティブアドベンチャーゲームです。本作は、PC-9801およびPCエンジンで展開された『電脳天使』シリーズの世界観を引き継ぎつつ、キャラクターデザインや設定を一新した作品であり、サブタイトル「スパイラルストーリー」が示すように、時間と記憶が交錯する物語が展開されます。プレイヤーは主人公・英貴也として、突如パソコン画面に現れた天使ベルとの邂逅をきっかけに、地球の運命を左右する選択に直面します。

ゲームはテキスト選択型のアドベンチャー形式で進行し、フルボイス・フルスクリーンの演出が採用されています。登場キャラクターは、獅子座のベル、水瓶座のフォル、蠍座のクレア、牡牛座のリアなど、星座に由来する天使たちで構成されており、それぞれに異なる使命と背景が設定されています。選択肢によって物語が分岐し、複数のエンディングが用意されているほか、ゲームオーバーに至る展開も存在します。

本作は、文化放送のラジオ番組「氷上恭子のエルステーション」内でラジオドラマ化されるなど、メディアミックス展開も行われました。サウンドトラックCDには、オリジナルストーリーやキャラクターのモノローグが収録されており、井上喜久子、沢海陽子、橘ひかりら豪華声優陣が出演しています。シリーズの中でも特に幻想性と哲学的要素が強調された作品として知られています。