『デジグ アクアワールド』は、1997年にセガサターン向けに発売されたジグソーパズルゲームです。増田屋コーポレーションが手がけた本作は、同社が展開していたインテリア製品「アクアワールド」シリーズの世界観をベースにしており、熱帯魚や水中風景をモチーフとした美麗なビジュアルが特徴です。最大108ピースのジグソーパズルを完成させることで、幻想的な海中映像と音楽が再生される演出が用意されています。

ゲームはピースの選択と配置を繰り返すシンプルな構成でありながら、完成に近づくにつれてBGMが変化するなど、視覚・聴覚の両面で達成感を演出する設計が施されています。パズル画面は粗めながらも、完成後に再生されるムービーは高品質で、アクアリウムの癒し要素を強調する内容となっています。ピースの操作性には制約があるものの、インテリア的な鑑賞性を重視した構成が本作の個性を際立たせています。

本作は単なるパズルゲームに留まらず、アクアワールドシリーズのマルチメディア展開の一環として位置づけられており、同シリーズのファンに向けたコレクション的な意味合いも持っています。セガサターンのパズルジャンルにおいては比較的珍しい映像演出重視のタイトルであり、当時のインテリア志向とゲームの融合を象徴する作品です。