『ヒイロノカケラ 新玉依姫伝承』、2009年10月1日にアイディアファクトリー(オトメイト)から発売されたPlayStation 2およびPlayStation Portable対応の女性向け恋愛アドベンチャーゲーム。
人気和風伝奇シリーズ『緋色の欠片』の第4弾として、近未来的な世界観と新たな「玉依姫」の運命を描くシネマティックな作品となっています。

本編では、最新のセキュリティシステムに管理された寒名市(かんなし)を舞台に、従来のシリーズとは一線を画すサスペンスフルな物語が展開されます。主人公・藤森沙弥は、自らに眠る「玉依姫」の力に目覚め、彼女を守る6人の守護者たちと共に、謎の宗教団体や異形の者たちとの死闘に身を投じます。和風の要素を残しつつも、現代的でスタイリッシュなビジュアルと、謎が謎を呼ぶ緊迫したシナリオがプレイヤーを惹きつけます。

この本編の後に続く物語として、2011年にはPlayStation Portableでファンディスク『ヒイロノカケラ 新玉依姫伝承 ―Piece of Future―』が発売されました。こちらは過酷な戦いを乗り越えた後の「平和な日常」に焦点を当てており、恋人同士となった彼との甘いエピソードや、アミューズメント都市でのデートを楽しむことができます。本編では語られなかった彼視点の物語「メモリーピース」なども追加され、世界観をより深く味わえる内容になっています。

シリアスで重厚な本編のドラマと、その反動ともいえるファンディスクでの幸福なひととき。この二つの作品を通して、運命に翻弄される緊張感と、それを乗り越えた先にある安らぎの両面を体験することができます。

本作は、2006年に第1作が発売された『緋色の欠片』シリーズのナンバリングタイトル(通算4作目)にあたります。シリーズの始祖である初代『緋色の欠片』は、鬼斬丸という刀の封印を巡る玉依姫と守護者たちの悲恋を描いた和風伝奇アドベンチャーの金字塔です。本作『新玉依姫伝承』は、その基本設定をベースにしつつも、世界観やキャラクターを完全に一新したパラレル的な立ち位置の作品として制作されました。

緋色の欠片