『薄桜鬼 随想録』は、2009年8月27日にアイディアファクトリー(オトメイト)よりPlayStation 2用ソフトとして発売され、後にPSPやPlayStation Vitaへ移植された女性向け恋愛アドベンチャーゲームであり、大ヒット作『薄桜鬼』の本編で語られなかった数々の隙間を埋めるファンディスク(追加エピソード集)です。プレイヤーは再び主人公・雪村千鶴となり、激動の物語の裏側で起きていた隊士たちとの日常や、ふとした瞬間に垣間見える彼らの素顔に触れることができます。

本作では、本編のような殺伐とした戦闘や悲劇的な展開よりも、キャラクターとの甘い交流や穏やかな日々に焦点が当てられています。事件の合間に起きた出来事や、隊士たちが屯所で見せるリラックスした姿、季節ごとのイベントなどがショートシナリオ形式で収録されており、本編を補完する形で彼らとの絆がより深く描写されています。

特筆すべき要素として、現代の学園を舞台にしたパロディコンテンツ「薄桜鬼SSL(Sweet School Life)」が収録されています。新選組の隊士たちが教師や生徒となり、ドタバタとした学園生活を繰り広げるコミカルな「if」の世界が楽しめ、本編のシリアスな世界観とは一味違った明るい雰囲気を提供しています。

PlayStation Vita版『面影げ花』などの移植版では、タッチ操作への対応やグラフィックの高解像度化に加え、新たなシナリオやスチルが追加されています。本編で心を痛めたプレイヤーにとって、彼らとの幸せな時間を共有できる癒やしのタイトルとして位置づけられています。

本作は、2008年に発売された『薄桜鬼 〜新選組奇譚〜』のファンディスクとして制作された作品です。本編と同じ時間軸の中で発生していたサイドストーリーや、キャラクターの魅力を掘り下げる日常会話などを集め、本編の過酷な運命とは対照的な「安らぎ」や「甘さ」を補完するタイトルとして構成されています。

薄桜鬼